反AIプラットフォームLovlet、うっかりAI生成画像を使用

 2025年4月13日、反AIプラットフォームのLovletが、同サービスの資金調達手段の一つであるCAMPFIREの告知画像において、AI生成画像を使用していた事が発覚。

 

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https://camp-fire.jp/projects/832033/view

 

 

 Adobe Stockに同一の画像が存在し、「AIによる生成」と記載されている。髪を中心に全体的に溶解・崩壊しており、いかにもAIイラストらしい特徴を備えている。

 

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https://stock.adobe.com/jp/search?k=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E5%A1%97%E3%82%8A&asset_id=680387718

 

 

 Lovletは、同じく反AI向けサービスだったemamoriが、経済的な破綻によって1月18日にサービスを終了したあと、その後継として立ち上げられたプロジェクトである。

 

note.com

 

 Lovlet運営は生粋の反AIであるため、Lovlet自身がこの画像を使ってページを作る事は、まず考えられない。このページはおそらくCAMPFIREに依頼して作ったと思われる(そのようなオプションがある)。その場合、Lovletは被害者というポジションになる。

 

 しかしそれは、Lovletを免責すると同時に、エコーチェンバーの外側には無断学習罪やAI使用罪は存在しないという事実を示す。反AIの頭の中では、「画像生成AIの使用は法整備が追い付いていないだけで実際には全て違法」であり、群がって炎上させれば潰せて当然のものだという事になっているが、CAMPFIREにとって、あるいはそれ以外の大多数のサービスにとって、AIを道具として使いこなす事は、もはや特別な事ではないのである。

 

 

 その後、4月18日になって、Lovletが声明を発表。

 

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https://x.com/lovlet_jp/status/1913067096801747200

 

 

 経緯については推定通りだが、チェックについては「画像の最終確認に際しては、(中略)権利上の問題はないものである旨のご回答をいただいたことから、当該画像を掲載する運びとなりました」としており、どうやらLovletは見ても分からなかったようである。

 

 あの画像に関して、CAMPFIREとしては、「権利上の問題はない」と回答するしかない(事実である)。反AIの主張は法を越えたものであるから、あとは自分で何とかするしかないのだが、Lovletはストップをかけられず、結局素通しになってしまった。

 

 また、テキスト後半では「再発防止に向けて、(中略)Hive社が提供するAIコンテンツ解析サービス等を活用し、生成AIによるコンテンツの使用有無を客観的に検証する取り組みを導入いたします」と書いてあるが、これは多分笑うところだろう。Hiveは無断学習によって作られたAIイラスト判定システムであり、存在自体が無断学習罪に抵触する。しかも誤判定ばかり起こしている相当なポンコツであり、最近は反AIですらエビデンスとして用いなくなっている。

 

 

 反AIは極めて特殊な客層であり、Lovletもまたそこにフォーカスした特殊なサービスである。反AIを相手にビジネスをするのは、言ってみれば爆弾処理をするようなものであるから、行動はもっと慎重であるべきだった。なぜ「手描き絵師に依頼」しなかったのだろうか?