WGA(全米脚本家組合)のストライキ、148日で終了

Strike captain SAGAFTRA member Cari Ciotti  looks on as striking WGA  members picket with striking SAGAFTRA members...

 2023/9/27、WGA(全米脚本家組合)とAMPTP(全米映画テレビ制作者協会)の交渉が妥結し、ストライキが148日目にして終結

 本命である12.5%の報酬アップは置いておくとして、AIに関する条項についての注意点(デマが発生しやすいと思われる箇所)は下記。

 

「無断学習禁止」という条項は存在しない

 

 既存の脚本を無断で機械学習する事は今後も禁止されない。ただし「された側が裁判を起こす権利を留保する」と言っている。つまり「裁判を起こす権利すら奪うような契約だけは禁止」という事である。

 学習は許容する一方で「AIが生成した脚本で作品を作るのは禁止」となっているのは一見矛盾しているが、「現時点での採用は禁止するが研究は禁止しない」という事で、要するに問題を先送りしたとみられる。

 

「AI製であることを公表しなくてはならない」という条項は存在しない

 

 「脚本家に渡す資料の中にAI素材があるならそれを必ず通告する」事を求めている。視聴者やそれ以外の第三者、あるいは世界に対して何かを公表しなくてはならないとは言っていない。

 

脚本家が自発的にAIアシストを受ける事は禁止していない

 

 先鋭化した反AI主義者のように「少しでもAIが関わったら汚染物」というような思想は持っていない。脚本家が自分の意志でAIアシストを受ける事は制限されないし、使ったからといってそれを公表しなくてはならないという事もない。

 

これは法律ではない

 

 これらの条項は法律ではないので、WGA所属の脚本家とAMPTP所属の組織が契約する場合のみ影響を及ぼす。それ以外の状況においては効果がない。

 

 なお、終了したのはWGA(全米脚本家組合)のストライキだけで、SAG-AFTRA(全米映画俳優組合)のストライキはまだ続いている。

 

https://variety.com/2023/tv/news/writers-strike-over-wga-votes-end-work-stoppage-1235735512/