生成AIでウイルスを作れなかった人、逮捕される

 

 2024/5/28、「生成AIを用いてコンピュータウイルスを作った」とされる男・林琉輝(25)が警視庁に逮捕され、「生成AIを利用したウイルス製造の摘発第1号」といったような感じの演出で報道される。

 

 しかし現実は見出しとは異なる。実際には、本人のスキルが到底コンピュータウイルスを扱えるようなレベルに達していなかった(元工場作業員)ため、そもそもウイルスは作成する事もできなかった。「ウイルスを目指して作られたが結局ロクに動きもしなかった訳の分からないゴミ」が別件で押収したPCの中にあったというだけの話である。この男は「生成AIを悪用してウイルスを作った男」ではなく、「生成AIを使えばウイルスを作れると思ったが、実際には何もできなかった男」に過ぎない。

 

 本件は「警察はAIも叩けるというところを見せておこう」という警視庁のパフォーマンス的側面が強い。潜在的な反AIである新聞社は「生成AIのせいで不幸な事件が起きた」と言いたいがためにそのパフォーマンスに乗っかっている。犯人は「AIを使えば何でもできると思った」と言っているそうだが、犯人のみならず警察も裁判所も新聞社も全員AIを使えば何でもできると思っていそうである。

 

 もし本当に正常に動作するウイルスが作れていたら、「学習段階ではなく生成段階で善悪を判断する」という法的な原則に沿った逮捕事例第1号ではあったのだが。

 

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