nizima魔女狩り事件

 2023/10/19、Live2Dモデラの「冬乃グミ」氏が、Live2D社が運営するデータ取引サービス「nizima」において、投稿したデータに生成AI使用の疑いをかけられ、「レイヤーデータを出せ」「タイムラプスデータを出せ」といったベタな反AI的やり取りを経て、最終的に「手描きである事を証明できない」としてリジェクト。

 nizimaは(例によって曖昧な線引きながら)2022/11/18の時点で「生成AIの使用禁止」を謳っている。

 

 あらいずみるい事件以降、反AI主義者が魔女狩りに走る事自体は珍しくなくなったが、より公平性が重視される法人が公式に堂々と魔女狩りを行うのはおそらく初の事例。

 

 冬乃グミ氏は立場的には反AI寄りで、生成AIを細かくコントロールするスキルもないとみられるが、2022/8頃にMidjourneyでポン出しした画像を数枚アップロードした事があり、おそらくそれを理由に他の作家より厳しいチェックを受けたとみられている。

 本件は結局のところレイヤーデータもタイムラプスデータも出せなかった事が決定打になったようなので、今後「生成AIを使っていない事に特別な価値を見出そうとする」タイプのサービスを使用する場合、サービス本体が魔女狩りを仕掛けてくる可能性に備え、それらのデータを準備しておく事が必要だと考えられる。

 

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中城 哲也(Live2D CEO): https://twitter.com/nakajoo/status/1715309292281352562

冬乃グミ: https://twitter.com/Fuunooo/status/1714934111318745458